人生で初めて入賞したすずウルトラマラソン、同じく初優勝を経験したトライアスロン珠洲(リレーの部BIKE担当)など、珠洲にはかなり思い入れがあります。
ぜひ、この珠洲でSTRAVA ART(GPSアート)を描きたいと思って地図を凝視したところ、すぐに浮かび上がってきたのがこの猿の顔でした。
実は奥能登には古来より猿にまつわる歴史伝承が数多く存在しています。
柳田の猿鬼伝説、七尾青柏祭の猿神伝説、輪島、能登島、そして珠洲にも。
日本三大パワースポット珠洲岬を舞台に、レースで走った思い出溢れるコースで珠洲の伝承文化を探り、そして最終目的はアートを仕上げるサイクリングです。
能登半島すずウルトラマラソン
レース当日、スタート時間はAM5:00。
天気も快晴。気分も上々。私の出場したカテゴリーは62㎞。
目標は入賞です。
この大会はなんと8位まで表彰があるのです。
朝焼けに染まった軍艦島。景色は最高です!
おっとゆっくり写真撮ってる場合ではなく、先を急がないと。
大谷峠を越える手前で順位を聞くと、7位か8位くらいと!
ということはもう誰にも抜かれてはいけないということか…
大谷峠を下り終えて、海岸線沿いを走っていると前も後ろも誰も見えない。
もちろん沿道に人もいないので完全に一人旅。
42.195㎞地点に到達。タイムは3時間半。
大谷峠やラケット道路も入れてこのタイムは自分でも驚異的。
しかもまだ体力も余裕ある。
やはり62kmあると思って走ると、フルは通過点として楽に感じるのかな~
難所 禄剛崎灯台を経て、山伏山に差し掛かったところで急に脚に異変が。
とうとう怖れていた足攣りの兆候が…
ペースダウンを余儀なくされ恐る恐る走法に。そしたらどんどん背後から押し寄せる影が。
あーー抜かれる・・・・と思ったら、女子1位選手でした。
ほっ。
だんだん疲労も蓄積して、体力も限界に。よく考えたら、先を急ぐため水分以外はエイドをとっていませんでした。
何度も何度も後ろを振り返りながら、ヘロヘロでゴルゴルゴール!
すずウルトラマラソン62km、無事完走で5時間27分36秒、なんと男子7位に入賞できました。
個人種目で人生初の初表彰台、40代から始めたヘビー級ランナーでもやればできる⁈
今回の能登半島ウルトラマラソン珠洲大会62kmコースのシェア画像です。
どうでしょう。この軌跡は猿に見えますか?
能登半島すずウルトラマラソンの走行データは、アスリートのためのSNS、STRAVAでもアップしております。
よろしければご覧ください。
トライアスロン珠洲大会
第29回大会は個人・Aタイプに出場しましたが、第30回トライアスロン記念大会、ご近所さんと各々の得意分野でタッグを組みツエーゲン木越として出場。
私の担当はバイク。距離は51.5kmながらコースには3つの峠があり、体重92kgの私としてはとにかく坂が苦手なんで、平坦を頑張るしかない。
いよいよレースが始まり、ツエーゲン木越のスイ厶担当N小リーダー、荒れた珠洲の海を2位で通過、さすが。トップとの差は1分9秒差で十分射程圏内。いよいよ自分の出番と慌ててスタートするもトランジットで慌てて物を落として戻ってしまい、10秒くらいロスこういうリレー種目は1秒でも削り出さないといけません
出だしは追い風、スタートして15kmくらいで、なんとかトップをキャッチ。ここからはけっこうな向かい風。向かい風は得意?なんで、バシバシ抜ける。大谷峠にさしかかり、もしかしてこのままトップでいけるかもと気が緩んできたところで、別のチームにすごい速度差で抜かれ、あっという間に見えなくなる。
抜かれたのは昨年の優勝チーム、確かバイクがものすごく速い人。このままだとタイム差つけられるのは必死
とにかく3分差以上つくとランで挽回するのは難しいので、大谷峠を死にものぐるいで登り、後半の平坦も粘って何とか1分16秒差でランでエースのH川さんにバトンタッチ。
H川さんにはプレッシャー与えてしまったけど、最後逆転してくれてトップで競技場に入ってきてくれて3人でゴール!
ラグビー以外で人生初のチーム優勝できました。仲間にも恵まれて貴重な体験ができました。ほんと嬉しかったです(≧▽≦)
今回の珠洲トライアスロンBIKEコースのシェア画像です。
どうでしょう。この軌跡は猿に見えますか?
トライアスロン珠洲の走行データは、アスリートのためのSNS、STRAVAでもアップしております。
よろしければご覧ください。
奥能登の猿伝説
奥能登には、今回のテーマ、猿に関する伝説・伝承がいっぱい残っています。
GPSアートは地域の伝承文化を探る旅!
今回も深堀りしていきたいと思います。
猿鬼伝説(能登町)
昔、大西山(現柳田村)に荒れくれもの猿がいて田畑を荒らしたり、人々に危害を加えたりと悪事を働いていたが、いつの日か猿鬼の化け物に変化をしてしまう。
困った村民は神々に助けを求め、出雲にて神々の会議が開かれました。
能登のことは能登の神が対処するということになり、気多大社(石川県羽咋市)の神を大将、大幡神杉姫(石川県輪島市三井)を副将にして猿鬼討伐の神軍が結成されました。
しかしながら猿鬼たちは大変手ごわく、矢を放ってもさらりとかわし、剣で切ろうとしても逆に剣がおれてしまうほど。
そこで作戦会議を開いたところ、猿鬼が体毛に漆を塗りつけていることを知った神杉姫は矢に毒を塗り、漆を塗れない猿鬼の目を狙う作戦を思いつきます。
猿鬼がいる岩穴の前で、白い布でおどり始めた神々。猿鬼たちは挑発されていると思い出てきたところを、神杉姫の毒矢が猿鬼の眼に命中。
猿鬼は逃げ出し眼の傷をオオバコの薬草で洗おうとしましたが、神杉姫に追いつかれ、最後は首を斬られました。
あたりには猿鬼の血が流れ、川がドス黒く濁ったそうです。
村人たちは猿鬼が隠れ住んでいた岩井戸の岩窟の近くに祠を建て猿鬼の霊を祀りました。
猿鬼歩こう走ろう健康大会
石川県能登町(旧柳田村)で開催されている猿鬼歩こう走ろう健康大会は、猿鬼の伝承が息づく新緑の能登路で、ランニングとウォーキングを楽しむことができる大会です。
大会の巨大ポスターには猿鬼伝説のいわれが書いてありました。
「当目の岩井戸に悪さをしていた猿鬼を退治した話
この伝説のいわれとなった地名は当目、五十里、黒川などがある」
猿鬼歩こう走ろう健康大会のハーフマラソンコースは、GPSアートのコース上でいうとちょうど猿の尻尾部分
猿鬼伝説に由来した地名を猿鬼歩こう走ろう健康大会のハーフマラソンコースに重ねてみると
- ①五十里
-
血が五十里も流れたところ
- ②黒川(くろかわ)
-
猿鬼の黒い血が川となって流れたところ
- ③駒寄(駒寄)
-
神々が馬を寄せたところ
- ④大箱
-
猿鬼がオオバコの葉で手当てしたところ
- ⑤岩井戸神社
-
猿鬼の霊を慰めるために建てられたほこら
- ⑥当目
-
神杉姫の射た矢が猿鬼の目に矢が当たったところ
- ⑦神和住
-
神々が休んだところ
神と猿鬼が戦った舞台がマラソンコースになっているんですね
やはり巨大垂れ幕には猿鬼のいわれが書いてある。
猿鬼はもはや地域に愛されているんですね
青柏祭(七尾 猿神伝説)
能登地区で最大のお祭り青柏祭。
青柏祭の起源は平安時代。疫病の象徴の3匹の猿神に奉納するため祭りになると山王社(大地主神社)に若い娘を生贄として奉納したとのこと。
ある年、娘を生贄に選ばれた者が、狼のシュケンに猿神退治をお願いし、激戦の末、猿神・シュケンとも息絶えてしまったとのこと。
以降、猿神のたたりを恐れ、3匹の猿に因み、3台の山車を山王社に奉納することになったそうな。
能都町柳田の猿鬼伝説と通じるものがありますよね~
七尾のお絵かきラン記事でもこの話を紹介しています。
叩き堂祭り(珠洲 猿神伝説)
珠洲市片岩町の片岩白山神社で約300年の間、毎年行われている叩き堂祭り、珠洲市無形文化財に指定されています。
毎年、集落の裏山に住みついた猿神に娘を1人お供えしなければいけなかったが、ある時犬を連れた修験者が猿神を退治したという伝承に基づいているという。
猿神(氏子)が生贄の娘(タラ)を包丁でさばくと、参拝客は猿神を退治するため丸餅を一斉に投げつける。そして赤タブを振りかざしながら奥殿に向かうと、一同ケヤキの棒で床を激しく叩くというのが祭りの流れ。
このような猿にまつわる伝説・伝承は、輪島や能登島など能登地区に多く残っているそうである。
ここまでくると能登と猿は切っても切れない関係かもしれませんね。
残念ながら過疎のため、叩き堂祭りは現在中断しているとのこと。
このような地域の宝は映像としてでもいいから残して語り継いでいくべきですね。
奥能登国際芸術祭
猿のお絵かきバイク、実は奥能登芸術祭のスポットを巡りながらGPSアートを制作しました。
いつも自転車で奥能登芸術祭を楽しんでいるのです。
特にいいなぁ~と思ったアートをご紹介いたします。
作品名『海をのぞむ製材所』Noto Aemono Project〈日本〉
小泊地区の海に面した気持ちのよい場所に位置する製材所を、「海の見える製材所」をテーマに改築するプロジェクト。ここで製材された木材を用いたベンチやテーブルが置かれた休憩所をつくる。製材所の壁は透明なアクリル壁に変えられ、ベンチに座ると水平線を望むことができる。会期中にはここでおにぎりなどの軽食を販売する予定。お弁当を食べながら、ゆっくり海を見てみたい。
奥能登国際芸術祭2020+
製材所というと山のイメージだが、珠洲は海も山も近くにあるロケーション。
海が見える製材所ってちょっと珍しいかも。
きれいに並べられた地元産杉を使ったテーブル、座った時に各々のテーブル天板と水平線が一直線で平行になるよう調整してありました
山、川、海と人の暮らしはすべてが繋がっていることを表現しているそうです。
現地でアテンドいただいた林業アーティスト 鳥居由佳さん。
自転車でお猿の顔を描いていることを話すと、なんと鳥居さんも珠洲に来た時にお猿に見えたとのこと。
地元の人にここら辺は猿の口ですよね、と話したところ???だったそうです。
私も珠洲出身、在住の方に猿のこと話しをしますが、皆さん???でした(#^^#)
アーティストだからこそ、感じられるものがある!?
あっ、自分でいっちゃいました。
珠洲の地図を見たら、もはやお猿さんにしか見えません笑
作品名『😂』ディラン・カク[郭達麟]〈香港〉
瞬時に伝達する情報に追われて誰もが気忙しく日々を過ごす現代。珠洲を訪れ都市とは異なる時間の流れを感じとった作家は、のと鉄道旧鵜飼駅を郵便局に見立て、絵ハガキとSNSによるもっとゆったりとしたコミュニケーションを鑑賞者に提案する。駅構内に置かれた猿の彫刻は、スマホ越しの交信に没頭する私たちの姿を象徴している。
奥能登芸術祭2020+
駅構内に置かれた猿の彫刻は、スマホに没頭する我々の姿。
能登の猿伝説をモチーフに、現代人の姿をシンクロさせているんでしょうか。
芸術は想像力を掻き立てますね。
作品名『時を運ぶ船』塩田千春〈日本/ドイツ〉
大谷エリアに広がる塩田に自らのルーツとのかかわりを感じた作家は、外浦沿岸を望む旧保育所を作品の場所に選んだ。日本で唯一、古代から連綿と続く珠洲の揚浜式塩田は、これまで何度か消滅の危機に瀕してきた。塩田に敷きつめる良質な砂を運ぶのに使われた砂取舟から空間いっぱいに赤い糸を張り巡らせ、塩づくりの技術を今に守り伝えてきた人びとの歴史と記憶を紡ぐ。
奥能登国際芸術祭2020+
自らのルーツのかかわりを感じて運命の赤い糸で紡いでいく。
私も奥能登の猿鬼伝説にインスピレーションを受け、奥能登の道で猿を描いていく。
現代アート、作品のコンセプトって重要ですよね!
作品名『最涯の漂着神』小山真徳〈日本〉
「鯨一頭捕れれば七浦潤し」と言われるように、浜に漂着した鯨は漁村に幸をもたらした。また、鯨以外にも鯱、大魚、漂流物、破船などは、彼方の常世かの国からもたらされた吉祥の存在として「エビス」と呼ばれた。漂着神を祀る神社の多い奥能登の、深遠な、遠大な精神に迫る作品だ。
奥能登国際芸術祭
鯨の肋骨に見立てた参道は、珠洲に滞在中、破船や流れ着いたイチョウの木を集めて作ったそうな。
また船の中には社殿があり、海藻の髪をたずさえた人魚が鎮座していました。
このアートは、作品とあわせて素材がどこから来たのか思いを馳せてほしいとのこと。
作品名『神話の続き』深澤孝史〈日本〉
珠洲にはさまざまな神が祀られている。日本海を経て大陸からやってきた神もいる。かつて漁師が海から拾い上げたものをご神体とする神社もある。一方の現代、珠洲の海岸に漂着するものの多くは大陸の廃棄物だ。深澤は、漂着物を素材としてアート化を試みる。古代と現代の時間をバイパスし、今日的な神の存在を考える意欲的な試みだ。
奥能登国際芸術祭
日本の中心に位置し、随一の大きさを誇る能登半島は太古より日本の表玄関、中国や朝鮮から多くの人が流れついたきたそうです。また能登沿岸部は北前船が寄港し、文化の交流点となっていました。
現在はごみの漂着物だけがどんどん流れ着いている。
鳥居は神域と人間界とを分ける境界線。神聖なものが漂着ごみで作られている。
もとをたどれば猿神も猿鬼もルーツはおなじ。漂着神を祀る神社の多い奥能登。
神話は何を伝えているのだろうか。どんなつづきがあるのだろうか。
漂着ごみの鳥居を見て想像力を膨らませてみよう。。。
後編 猿のGPSアート実走編
次回は、実際に猿のGPSアートを描きます。
観光やグルメスポットと合わせてご紹介しています。ぜひお読みください。
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