森の王者イヌワシは今、絶滅の危機に瀕しています。
日本最大の猛禽類でありながら、山林の環境破壊によりみるみる個体数が減少しているとのこと。イヌワシの保護活動を行うことがSDGs15番目目標「陸の豊かさも守ろう」につながると言っても過言ではありません。
陸の豊かさも守ろう
SDGs15番目の目標は、山林の生態系を維持し、多様な生物が生きられる環境を持続していくこと。
絶滅の危機に瀕している生物をしっかり守っていく活動が求められています。
イヌワシは石川県の県鳥でもあります。
イヌワシが生息するためには、エサが豊富で狩りができるような開けた場所で、巣が作りやすい急峻な豊富な餌の岩場があること、飛行に適した上昇気流が起こりやすい地形であるのが条件で、石川県では白山山域に生息しているしているようです。
今回はイヌワシをテーマにSDGsなお絵かきラン。どのようなランニングになったのか、ご紹介いたします。
プロローグ
ラン友のKさん、卯辰山界隈でよくプロギングをされています。
ある日のInstagramの投稿で、卯辰山でのプロギングの様子とランニングログをアップされておりました。
この地図上の軌跡、何かに見えませんか?
プロギングお疲れさまでした~。コースログもGPSアートっぽい。なんかアレンジしてコース作れそうですね。
プロギング+GPSアートのコラボ、なんか面白そう!是非ともコースを作成願います
わたしがこの軌跡を見てすぐ思い浮かんだのが…
そう、私には大空に翼を広げた鷲に見えました。
しかもコースは黒鷲旗争奪で有名な卯辰山相撲場を通っている。
ほぼ道の選択肢が少ない卯辰山で、道の軌跡が鷲の姿絵のようになっているとは・・・
これはGPSアートをつくるっきゃない!
顔の部分を拡大してみると…
どうでしょう。まさに鳥の顔。
あれ?でも見晴らし台のところにこんな道あったっけ?
ではこの道の謎を解きに行こうではありませんか!!
スタート(卯辰山相撲場)
スタートは黒鷲旗争奪・高等学校金沢大会の開催地、卯辰山相撲場。
心・技・体の石碑の前で集合写真。心・技・体の3つのバランスが整ってこそ、最大なパフォーマンスが発揮できるという。
スポーツの世界では、よくボランティア活動を通して、心技体を醸成しているという。
今回のSDGsお絵かきプロギングを通して、心技体を鍛えなくちゃ!!
高等学校相撲金沢大会
この卯辰山相撲場で行われる高等学校相撲金沢大会は、高校相撲界では国体、インターハイ、青森県十和田市・高知県高知市・大分県宇佐市で開催される各大会と並び、重要な大会として位置付けられています。
毎年、北信越の高校を中心に全国から70数チームが選抜され、 熱戦が繰り広げられています。
会場もまるで高校野球のごとく、応援団・チアリーダーやブラスバンドによって華やかな応援で盛り上がっています。
地元石川県からは相撲部がない学校も参加し、相撲経験が少ないであろう柔道部や野球部・ラグビー部などの選手が頑張っている姿も魅力的。
1915年(大正4年):学生角力大会として、金石海浜・日和山下の特設会場で第1回を開催。
1952年(昭和27年):会場を平和台特設相撲場(現在の金沢市平和町付近)に移して開催。
1954年(昭和29年):会場を石川県営兼六園野球場(現在の北陸電力会館 本多の森ホール)に移して開催。
1961年(昭和36年):会場を現在の卯辰山相撲場に移して開催。
2016年(平成28年):第100回記念大会。
金石で生まれ、平和町や小立野などに開催地を変えながら今に至る、大会回数は100回を超える伝統的な大会なんですね。
黒鷲旗
優勝校には「黒鷲旗」が授与されます。
この優勝旗の黒鷲は石川県の県鳥イヌワシにちなんでいるそうです。
ちなみにバレーボールでも、黒鷲旗全日本男女選抜大会が毎年開催されています。
こちらのほうは、都市対抗野球の象徴である黒獅子にあやかり、黒鷲を優勝旗にあしらったのが由来とのことで、1952年が第1回とのこと。
やっぱり、バレーボールも森の王者イヌワシですかね。
鈴見鋳造所
卯辰山から鈴見の坂を下った先、幕末、このあたりには加賀藩の大砲や鉄砲を鋳造する鈴見鋳造所がありました。
1万平方メートルの広大な敷地で、設備も英国製の最新鋭の設備が導入されていたそうです。
ここで作られた大砲や弾薬は大野まで運ばれ、加賀・能登・越中の台場まで運ばれたそうです。
大野のお台場公園や金石の寺中お台場跡など、黒船来航に備え、ここで大砲を作っていたんですね。
加賀藩は幕府に次いで、大量に保持していたようです。
陸の防衛の大砲、使われることはなかったです。
400年以上戦火のないまちは世界広しと言えどもチューリッヒと金沢だけ。
これからも戦火のない持続可能なまちであることを切に願います!
水除地蔵尊
さすがに浅野川河川敷におりてみるとゴミが多い。
ここでしっかりゴミを拾っておかないと、海洋プラスティックとなって海をさまようことになってしまいます。
水除地蔵尊
大正5年7月の豪雨により、浅野川が氾濫し数百m先の川のほとりからお地蔵さんが流れてきたところを救い上げ、この場所にお堂を建てて祀ったそうです。
大正13年8月にふたたび大雨に見舞われ、橋が流され町が川のようになったそうです。ようやく落ち着いた時にはお地蔵さんだけがどっしりと立っていたとか。
町の人々は大変驚き、水除地蔵尊とよばれるようになったそうです。
豊かな森は大きな保水力を持っています。
大量の植物と深い土壌を形成して、雨の水を遮断し、地下浸透させて、保水します。
近年、線状降水帯による局所的な集中豪雨で大規模災害が相次いでいます。
森を守ることで我々の身を守ることができるのです。
何事も自分事としてとらえることが重要ですね!
イヌワシに遭遇?
イヌワシの羽根?
ゴミ・・・ではなく鳥の羽を拾いました。
こんな大きな羽根、卯辰山にもしやイヌワシ!?
エイド
コース上の参加者のお宅で、エイドを用意していただきました。
ありがとうございました。
サプライズな出来事がまた楽しいですね!
茶屋街
朝早くのひがし茶屋街。観光客もおらず閑散としています。
ごみ拾いには最適!
主計町茶屋街もめぐります。
ひがし茶屋街と主計町茶屋街。
当初、コースには入れておりませんでしたが、とある理由でキャラクターを付け加えました。
結末までのお楽しみ!
日暮ヶ丘(安政の泣き一揆)
浅野川の天神橋から、帰厚坂、花菖蒲園、そして千杵坂へと長い坂を上った先にある日暮ヶ丘。
ここ日暮ヶ丘は、幕末の1858年(安政5年)7月11日の晩、約2,000人の群衆が卯辰山に登り、一声に「ひもじいわいやぁ~ 米くれまいやぁ~」と金沢城に向かって叫びました。
これこそ、「安政の泣き一揆」
地震や長雨などで凶作となり米の値段が急騰し、生活に貧した庶民の平和的?一揆です。
首謀者は風向きなどを緻密に計算し、見事前田の殿様に直接声が届いたのです。
翌々日には藩のお蔵米を米商人に放出し、米価軽減のお触れも出て、米の値段が一気に下がったそうです。
ただ悲しいかな、首謀者7人は見せしめとして処刑さらし首となったそうです。今も七稲地藏が卯辰山の麓に七稲地藏が祀られています。
当時は全国各地で焼き打ち、略奪、乱闘などの米騒動が起こっていましたが、金沢の米騒動はなんと平和的なんでしょう。
3食を満足に食べられている今の生活、改めて先人たちに感謝したいですね。
卯辰山三社
泣き一揆のあった日暮ヶ丘をもう少し登ると卯辰山三社に到着、左から愛宕神社、卯辰神社、豊国神社と並んでいます。
豊国神社は、前田利家の遺言により徳川幕府に隠れて山王社と称して創建された豊臣秀吉を祀る神社です。
江戸時代に秀吉を祀ることは反逆罪!
御家取り潰しになるので、当時民衆が入山を禁止された卯辰山に作ったのも納得ですね。
社殿の奥には豊臣家の「五七桐」の紋を見ることができるんですよ〜
加賀藩同様、イヌワシもとても警戒心が強く、人里離れた高山の近寄りがたい断崖絶壁に巣を構えるとのこと。
ひよこまめ
卯辰山の山頂近くにある、森の中にある素敵な空間です。
自家焙煎コーヒー、自家製スイーツも美味しいですよ。
金沢ヘルスセンター
卯辰山山頂
卯辰山の山頂に到着。
金沢の町が一望できます。
まさに金沢市民の憩いの山。
ここにはかって金沢ヘルスセンターがありました。
動物園や水族館がこの場所にあったのです。我々世代には懐かしいですよね~
1958年 金沢ヘルスセンター・金沢動物園 開園
1963年 水族館開館
1982年 金沢サニーランドへ改称
1993年 金沢動物園・金沢水族館閉鎖
当時の金沢ヘルスセンターの上空写真を見てみると…
金沢ヘルスセンター空撮写真
そう、イヌワシの顔を構成する道は、なんとヘルスセンターの遺構だったのです。
現在(ヘルスセンター跡地)
左下:動物園、中央:宿泊施設(見晴らし台)、右上:水族館(ふれあい広場)
そうそう、記憶がよみがえってきました。
見晴らし台
かってヘルスセンターがあったところは今は見晴らし台に。
屋上の空中ブランコは風車に(≧▽≦)
金沢動物園跡
公園として整備されていますが立地上、ここに足を延ばす人は少ないのでは…。
動物園の名残を見つけましょう。
金沢ヘルスセンター(金沢水族館)
水族館にはミニ遊園地まで。あーあ、こんな素敵な施設、なぜ無くなったんでしょう。
ゴール
ゴルゴルゴール!!!
参加者から差し入れのパンとドリンク。ほんとありがとうございます。
暑い中、生き返りました。
完成したアートはこちら。
犬と鷲、イヌワシ
鷲だけだとイヌワシってわかりにくいかなと思ったので念のためイヌもくっつけちゃいました笑
おあとがよろしいようで(≧▽≦)
自分たちの暮らすまちをキャンバスに。遊び心で描き続けていきたいと思います。
本日のコースデータ
イヌワシの鷲のところはコチラのページを参考にしてください。
イヌワシの犬のところはコチラのページをご参考にしてください。
海ごみゼロ大作戦
今回は陸の環境保全の象徴「イヌワシ」を描きましたが、他にもいろんなテーマで描いておりますので、ご紹介いたします。
ウミガメ
広大な内灘砂丘で海の環境問題の象徴、ウミガメを描きました。
コチラの記事をご覧ください。
イルカ
金石海岸での海岸清掃お絵かきウォークと金石の町でのプロギングによる海ごみゼロ大作戦。
コチラの記事をご覧ください。
アットマーク
SDGsをテーマに、アットマーク国際高校さんとアットマークを描きました。
コチラの記事をご覧ください。
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